館長ご挨拶

筑波研究学園都市は、産学官合わせて300に及ぶ研究機関で約2万人の人達が、科学・技術の研究開発に取り組んでいる、世界最大級のサイエンスシティです。言うまでもなく、サイエンスの進歩には研究者達の創造力や想像力を喚起するダイナミックな研究交換が不可欠です。

つくば国際会議場は、研究学園都市における交流の場の中核施設として位置づけられており、1999年6月の開館以来450万近くの方々にご来館いただき、研究交流に大きく貢献しているものと確信しております。

世界標準の諸設備を備えた本会議場は、国際会議はもとよりさまざまな会合やイベントを開くのに最適な環境を有しています。明るくゆったりとした空間で参加者が大いに討議する中から、新しいアイディアが生まれたり、有益な情報交換が行われています。

科学は自然界のルールを解明する体系的な知識であり、それを社会や企業の利益、医療の向上のために活用するノウハウが技術です。この科学と技術こそ近代文明を維持し発展させる原動力です。科学の進歩が新しいさまざまな技術を生み、それらが産業や経済の発展、保健や医療の充実、インフラの整備、環境の改善、天災や人災からの防備など、われわれの高度な生活の維持に貢献しています。基礎研究において、時には予想外のサプライズに出会います。そこで得られた革新的知識(ブレークスルー)をもとに開発された画期的技術が実用化され、イノベーション(技術革新)が実現しますと、大きな経済効果をもたらすことになります。そして、本会議場にて発表された成果が、茨城県、日本、さらに世界の科学・技術の発展に大きく貢献するであろうこと信じております。

江崎玲於奈
江崎館長

館長 江崎玲於奈
1973年 ノーベル物理学賞受賞