サイエンスキャスティング

つくばサイエンスキャスティングは、中高生を対象として、普段の授業では決して触れることのできない、科学と技術に対する興味関心を引き出さし、実際の研究の現場の雰囲気に触れた実体験から得たものを、グループで議論しながら整理し、プレゼンテーションの技量を磨く、重要な経験になる事を目的としています。

サイエンスキャスティング2023

サイエンスキャスティング2023
サイエンスキャスティング2023

サイエンスキャスティング2025

サイエンスキャスティングは、参加者が興味深いテーマについて短時間で魅力的なプレゼンテーションを行う機会を提供します。科学の魅力を伝える力を磨きながら、他の参加者との交流や専門家からの指導を通じて、さらなる知識と経験を得ることができます。
ぜひ、この貴重な機会にご参加いただき、サイエンスキャスティングの舞台で輝く才能を発揮してください。ご応募を心よりお待ちしております。

開催日程2025年8月5日(火)~6日(水)
開催場所つくば国際会議場・各研究所・大学
参加資格中学生(2、3年生)・高校生の方を対象としています。
参加費14,000円(宿泊代、食事代、交通費、保険料を含む)
宿泊箇所ホテルJALシティつくば
8月5日(火)
訪問先機関(初日オリエンテーション後、午後)

ご希望の研究機関等を訪問し,研究内容を調査します。通常のサイエンスツアーでは公開されていない研究内容を見ることができるかも。参加者は、チームで取材・撮影・PCプレゼンなどの担当者を決めて、研究者の講義、実験、質問、写真撮影等を協力して実施し、研究内容の取材をしてきます。

エポカルトークサロン(夕食会)

研究所の先生方と直接お話ができる夕食会です。訪問できなかった研究所の先生方にも、どんどん質問をしましょう。

特別ナイトセッション

夕食会に引き続いて、全員が参加できる特別なナイトセッションを企画しました。産業技術総合研究所の大山先生にお越しいただいて、心理学とVRで伝える未来デザインを紹介していただきます。何人かは体験できますよ。

8月6日(水)
チームの討議とプレゼン資料作成

他の研究テーマを訪問した参加者全員に、探究調査の内容をわかりやすく説明するために,自分が訪問した研究テーマと取材・体験内容を7分間のパワーポイント発表ファイルにまとめます。チームでの共同作業の体験として,発表用ノートPCの作業をチーム全員で協力して進めます。

チーム発表会と審査

各チームが、7分間のプレゼンテーションをします。他の調査テーマを訪問した班にわかりやすく訪問テーマを説明するとともに,他のチームの調査テーマを聞き、質問をし、今回は訪問できなかった調査テーマへの理解も深めましょう。

調査テーマ

  • 霧箱で素粒子を見よう!

    高エネルギー加速器研究機構

    KEKでは、宇宙で一番小さい粒「素粒子」をぶつけて高いエネルギーを作ることで宇宙の始まりを調べています。粒子と粒子をぶつけてできたエネルギーから別の粒子が飛び出してきて、それらの粒子を測定器でキャッチして研究をしているのです。では、どのように目に見えない小さな素粒子の測定をしているのでしょうか?
    実習では、実際に加速器で実験をすることはできませんが、私たちの身の回りにある素粒子「宇宙線」や放射線を使って素粒子の測定を体験します。測定に使うのは「霧箱」という装置。霧箱を使ってノーベル賞が3つも取られていますが、実は100円ショップの材料でも作れてしまいます。自分で霧箱を作り、実験物理学者の気分を味わいましょう。

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    つくばの代表的大規模研究実験施設を運用しているこの研究所では、高いエネルギー状態の素粒子を作り出し、これを利用した多様な研究を進めています。加速器施設の巨大さは航空写真でなければ全貌が分からないぐらいですが、今回は身の回りにあふれる素粒子自体を認識する経験ができる機会をいただきます:実行委員会

  • 身近な化学物質は生き物にとって安全?

    国立環境研究所

    食品、医薬品、化粧品、衣料品など私たちの身の回りにはさまざまな化学物質があふれていて、それらの恩恵にあずかっています。しかし、それらを使った後、どうなるか考えてみたことはありますか?使った後に環境中に出て行った化学物質は、そこに生きものに悪影響を与えるかもしれません。ただし、すべての化学物質を単純に危険視するのではなく、その影響がどのくらいか知った上で安全に、そして環境に負荷がないように使うことが大切です。
    日本では化学物質の環境安全性を調べる試験法の一つにミジンコやメダカなどの水中の生き物が用いられています。今回はそれらを使った簡単な実験と観察を通して、皆さんの身近にある化学物質の安全性について考えてみましょう。

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    化学物質の環境や生物に対する影響をあまり実感する機会がないかもしれませんが、こちらは特に水系での生態影響を研究する国内有数の研究室です。実際の実験室での一連の試験に参加していただけますよ:実行委員会

  • 花火って、どうしてカラフルな色が出るんだろう?

    産業技術総合研究所

    花火には化学の基礎がぎっしり詰まっています。実は、花火の色は「量子力学」と呼ばれる、とても小さな世界のルールで決まっています。そして、その小さな世界のルールは、花火だけでなく、遠く離れた星の正体を知るヒントにもなり、さらには医療、環境、材料など現代科学のさまざまな分野にも関わっています。この授業では、ミニ花火を作り、光を分析します。花火の光の中に隠された秘密を調べ、量子の世界への扉を開きましょう。理科がちょっと好きな人、原子や宇宙のナゾが気になる人、楽しく科学してみたい人、ぜひお待ちしています。

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    高校化学基礎で学ぶ炎色反応については、なかなか実体験をしにくいテーマですが、この訪問ではなじみ深い花火を使って現象を体験し、理解する事ができます。幸運ならば水槽での爆発実験も経験できますね:実行委員会

  • 超高温超高圧発生装置を用いた新物質探索

    産業技術総合研究所

    当研究グループでは、超伝導材料研究の一環として六方型キュービックアンビルを用いた超高温超高圧発生装置による新規材料開発を行っております。この装置の多くは地球科学等の研究分野で利用されておりますが、これをエレクトロニクス分野の材料開発に応用しております。
    超伝導の実用化は、産業面では既に医療用MRI等に用いられており、半導体材料と同様、現代の基盤技術を支えております。しかしながら現在のところ、超伝導現象が生じる温度まで冷却しなければならない為、冷媒が必要不可欠となることから、応用範囲は極めて限定的となり、理想的には室温でも作動する高温超伝導体の開発が望まれています。当グループでは、対象材料として主に液体窒素温度を超える超伝導転移温度(Tc)を持つ銅酸化物系や、それに次ぐ高いTcをとる鉄系超伝導体を中心に研究することにより、従来の金属系超伝導体の超伝導発現機構とは異なると考えられている発現機構の解明をするとともに新規超伝導体の開発へと繋げるという、どちらかといえばやや基礎的な研究を行っております。
    当日は、この装置を用いて試料合成を行い、得られた試料をX線回折装置によって評価し、物性特性評価として例えば、磁化測定による温度依存性の測定を行う予定です。

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    超電導という言葉を聞いたことがあっても、目の前で超電導現象を見る機会はほとんどありません。この研究室では、新しい材料開発として始まった超電導現象の基礎から実際の現象の観察まで、皆さんが体験できる機会を与えていただけます;実行委員会

  • 宇宙から見た地球:電子の眼リモートセンシング

    産業技術総合研究所

    人工衛星のセンサーを使った「リモートセンシング技術」の開発や、衛星から送られてくるデータを使った解析研究により、現地に行かずに地球のどこでも情報を収集できるようになります。衛星に搭載された「電子の目」による光のセンサーは、植物の特徴、地面温度や大気中の酸素・二酸化炭素濃度、岩石の中の特定の元素や地下浅いところにある地盤の構造なども捉えることができます。また同じ場所を繰り返し観測することで「環境の変化を捉える」「地質情報を知る」「資源探査に役立てる」「防災に関わる情報の収集・・」などに利用されています。
    当日は、最初に衛星リモートセンシングの概要について知ってもらい、実際の衛星データを使った地球や月などの最新研究をご紹介します。その後、皆さんに実際のデータと解析ソフトを使った課題研究をやっていただきます。データやソフトは産総研が提供し、操作なども研究者がサポートしますので、ぜひ最先端の衛星リモートセンシングの現場に触れてください。

    今や日常生活に溶け込んでいるGPSやお天気衛星なども、宇宙から地球を見る技術の一環です。この研究室では、皆さんのお住まいや学校などを当日衛星から見せていただけるかもしれません:実行委員会

  • 日本最大級の地球科学博物館
    地質標本館のウラ側をのぞいてみよう!

    産業技術総合研究所

    博物館のウラ側って見たことありますか?このコースでは、日本最大級の地球科学博物館である地質標本館の、普段見ることのできない岩石薄片作製室と大型岩石保管庫を見学します。
    岩石薄片とは、地質の研究で岩石や鉱物を詳しく観察するために、顕微鏡で鉱物が同定できる約0.03mmの薄さに岩石を磨き上げたものです。岩石薄片作製室では、薄片作製の工程をひととおり見学してもらった後、実際に薄片作製の一部を体験します。また岩石薄片の顕微鏡観察も行います。大型岩石保管庫では、研究で採取した岩石・鉱物・化石など、17万点におよぶ標本を保管・管理しているようすを見学し、実際に標本の整理を体験してもらいます。地質標本館の見学を通じて、地質の研究を支える博物館の知られざるウラ側をのぞいてみませんか。

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    地球を知るための知識や技術は、標本試料が基礎となって蓄積されていきます。わが国では国立科学博物館が有名ですが、実は地球標本ではここ地質標本館もそれに勝るとも劣りません。地下数百メートルの岩石や、紙より薄い鉱物などとの意外な出会いと、博物館の裏方仕事に触れる貴重な機会です:実行委員会

  • 私たちのくらしとバイオテクノロジー
    ー光るカイコから最先端技術を考えようー

    農業・食品産業技術総合研究機構

    カイコは約5000年前からヒトが絹(シルク)を取るために利用してきました。家畜化が極端に進んだ結果、人間の手助けなしには生きていくことも命をつなぐことも出来ない生物となっています。
    ゲノムの解読や遺伝子組換え技術の確立により、実験材料としての存在感も増していますが、産業動物としても医薬品の原料となるタンパク質の生産や光るシルクや超極細シルクの開発が行われています。また2014年、富岡製糸場等が世界遺産に登録されて以来、カイコをめぐる歴史は改めて注目を集めています。ここでは、ノーベル化学賞で話題になったオワンクラゲの緑色蛍光タンパク質(GFP)等を利用した世界初の光るカイコの最先端研究を紹介し、実習を行います。カイコの歴史や遺伝子組換えカイコの作り方と利用法を学んだ後、卵にDNA等を顕微注射したり、GFPを抽出します。さらに希望者はカイコを解剖して、体内で光る蛍光を観察します。また、蛍光タンパク質とシルクを融合させた光るシルクを用いて試作した洋服等の貴重な実物を見学します。

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    我が国を代表する高級繊維素材であるシルクの世界的な評価は引き続き高く、新用途開拓も含めた研究が進められています。今回も農研機構さんには、蚕研究の将来発展について最先端の研究体験をさせていただけます:実行委員会

  • 気象予測の最先端を知る
    -雷雨、線状降水帯、地球温暖化-

    気象研究所

    気象研究所は、天気予報などについての技術の改善のための研究を行う気象庁の研究機関です。線状降水帯・台風などの予測や地球温暖化予測、数値予報モデルの予測精度の向上、地震や火山の研究など幅広い分野の研究を行っています。
    このテーマでは、雷雨、線状降水帯、地球温暖化の3つについて、それらの予測の仕組みを最新の研究も交えつつ学ぶことができます。
    雷雨や線状降水帯はどのように発生し、どうやってその発生を予測するのでしょうか?実際の観測データを使って予想してみたり、コンピュータによるシミュレーションについて学んでみましょう。また、普段よく耳にする地球温暖化について、最先端の研究者と対話できる時間も設けています。基本的な知識から最新の研究内容まで何でも聞ける貴重な機会です!

    気象予測の最先端を知る -雷雨、線状降水帯、地球温暖化-

    今回初めて気象庁気象研究所に受け入れていただきます。わが国で2021年から運用が始まっている気象庁の「顕著な大雨に関する情報」の提供は、ここで開発された自動検出技術が支えているのだそうです。ぜひ最先端の気象検出技術の一端に触れてください。:実行委員会

  • 机の上で見てみよう:地質現象を模擬する実験

    東京理科大学

    地球と宇宙の時間と空間の全てを対象とする地学では、調べようとする現象と同じサイズ(何千キロとか)とスピード(何万年かけてとか)で実験を行うことができません。そこで、地震、津波、火山噴火、高潮、斜面災害などの自然災害を模擬する実験が必要になります。まずその基本的な考え方や装置の設計・製作について、自身で種々の模擬実験をしながら学んでもらいます。
    流体の圧縮や圧力開放に際しての基本的な挙動を知っていただいた上で、地下水・溶岩・火山ガスなど、多くの自然現象で主役として振舞っている流体について実感しましょう。具体的には地震による揺れや地滑り、地盤の液状化現象、河川洪水時の堤防の破堤現象、火山噴火の駆動力、火砕流の流動など、流体に注目すると多くの自然災害の基本的なプロセスが見えてきます。

    机の上で見てみよう:地質現象を模擬する実験

    東京理科大学野田キャンパスは距離があるので、つくば国際会議場にラボから実験装置を持ち込んで探求活動をしていただきます:実行委員会

  • 心理学とxR技術を応用した体験デザイン研究

    ナイトセッション

    五感で感じた情報は脳内で1つの体験として「認知」されます。そして、人・情報・環境を認知して、それに基づいて行動し、その行動が人・情報・環境に影響を与えるという「相互作用:インタラクション」によって、ある一連のイベントが体験されます。認知とインタラクションの特性を理解して、体験をデザインする学問を「認知インタラクションデザイン学」と言います。メタバースなどの最新のxR技術を使うと、通常の生活では得られない体験や簡単にはできない体験が可能になります。当日は、心理学とxR技術を応用した次世代の体験デザインについて紹介します。また、産業技術総合研究所が角川ドワンゴ学園と共同開発した、新しい教室のVRコンテンツを体験してもらうことを予定しています。(時間と機材の関係で一部の人しか体験できない可能性もあります。)

    参加者の皆さんの姿をVR空間に表示するために、画像を撮影して処理します。そのため、ご本人と保護者の承諾を書面でいただくことが必要となっています。後日の参加者へのご連絡時に、詳しくご説明します。

    ナイトセッション

    初日夕刻のエポカルトークサロン(夕食会)に引き続いて、全員が参加できる特別なナイトセッションを企画しました。今年は産業技術総合研究所・筑波大学連携大学院の大山潤爾先生にお越しいただいて、心理学とxRで伝える未来デザインを紹介していただきます。何人かは体験できますよ:実行委員会

イベント参加の中で取得された写真やデータは、つくば国際会議場やサイエンスキャスティングに参加する公的研究機関等に共有される場合があります。また、個人を特定できない形で、機関広報や学会発表等で使用される場合がありますのでご承知おきください。

お申込方法

参加を希望される方は、下記の申込フォームからお申し込みください。素晴らしい科学体験を共有し、サイエンスの魅力を広める舞台で一緒に盛り上がりましょう!

申し込みフォーム

申込締切日

2025年7月11日(金)となります。定員に達した場合は、締め切り前でも受付を終了する可能性がありますので、お早めにお申し込みください。

お問い合わせ先

つくば国際会議場(一般財団法人茨城県科学技術振興財団)
TEL:029-861-0001、FAX:029-861-1209

主催・後援 他

主催

サイエンスキャスティング実行委員会

後援

つくば市、つくば市教育委員会

協力

大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構、国立研究開発法人国立環境研究所、国立研究開発法人産業技術総合研究所、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、東京理科大、気象庁気象研究所

これまでの取り組み

これまでのサイエンスキャスティングの取り組みついては、以下のリンクよりご覧ください。